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マキアヴェッリ語録[古本]

平成23年12月24日読了(購入日:平成23年11月5日)。

ブックオフで見かけて、たまたま購入したもの。

本書は、マキアヴェッリ(個人的には、「マキャベリ」という表記がなじみがあるので、以下、こちらを使用)の「君主論」、「政略論」等の著作から、塩野氏がエッセンスと考える部分を抜粋したものである(要約や解説ではなく、抜粋という手段を採った理由については、前書きに説明されている)。

恥ずかしながら、自分的には、マキャベリと言えば、「君主論」、「君主論」と言えば、権謀術数というイメージしかなく、なんかある意味、非常に偏ったことを書いた人なんだろうなぁ、程度の認識だったのだが、本書を読んで驚いた。ある意味、非常に、まっとうなことばかり書かれてたからである。

権謀術数的な要素が書かれた部分もあるが、一部に過ぎないし、いろいろな条件が付された上で述べられている部分も多い。もちろん、塩野氏が、敢えてそのような抜粋の仕方をしたという可能性もあるし、本書だけで、マキャベリの思想のすべてをわかったような気になるのは危険ではあるが、自分のように上記した程度の認識しか持っていなかった人間が、その認識を改めるきっかけにはなる本ではなかろうか。古典と呼ばれる本は、読みにくい本が多いのが常であるが、本書自体は非常に読みやすい。

以下、抜粋本からの更なる抜粋。

 古の歴史家たちは、次のように言っている。
 人間というものは、恵まれていなければ悩み、恵まれていればいたで退屈する。そしてこの性向からは、同じ結果が生ずるのだ、と。
 まったく、存亡のかかった戦いをする必要がない場合でも、人間は野心のために戦う。
 まして、この野心なるもの大変に強力で、いかに栄達をきわめても、消え去るということがない。
 その理由は、自然は人間を、どんなことでも望めるが、その実現となるとなかなかむずかしいように創ったからであろう。
 ために、人は、自らの実現能力をはるかに上まわることを望むものだから、常に不満が絶えないのである。そして、ある者はより多くを獲得しようとし、ある者はもっているものを手放すまいとして、争いが起こるのだ(本書159頁)。

 人間は、運命に乗ることはできても逆らうことはできないというこのことは、歴史全体を眺めても、真理であると断言できる。
 人間は、運命という糸を織りなしていくことはできても、その糸を引きちぎることはできないのである。
 ならば、絶望するしかすべはないかとなると、そうでもないのだ。
 運命がなにを考えているかは誰にもわからないのだし、どういうときに顔を出すかもわからないのだから、運命が微笑むのは、誰にだって期待できることだからである。それゆえに、いかに逆境におちいろうとも、希望は捨ててはならないのである(本書202頁)。

 次の二つのことは、絶対に軽視してはならない。
 第一は、忍耐と寛容をもってすれば、人間の敵意といえども溶解できるなどと、思ってはならない。
 第二は、報酬や援助を与えれば、敵対関係すらも好転させうると、思ってはいけない(本書212頁)。

 謙譲の美徳をもってすれば相手の尊大さに勝てると信ずる者は、誤りを犯すはめにおちいる(本書214頁)。

最後に、有名な一節を。本書もこれで締めくくられている。

 天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである(本書244頁)。

クリスマスには、ふさわしくないネタかしらん(笑)

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