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漢検漢字辞典の謎(「臣」の画数編)

完全征服をやっていると、「鏗」という漢字がでてきた。例によって、おそらく初めて目にする漢字なので、手元の辞書を確認してみると、これまた例によって、この「鏗」についても、辞書によって総画数が違っていることに気がついた。

すなわち、漢検漢字辞典だと、19画(部首内画数11画)であるが、漢字源及び新漢語林では共に、20画(部首内画数12画)となっているのである。これは、漢検漢字辞典では、「堅」部を11画と数えており、漢字源及び新漢語林では、「堅」部を12画と数えていることを意味している。

念のため、他の漢字についても確認してみようと、ATOKの文字パレットを使って、「堅」を含む漢字を調べると、JIS第2水準までで、5個の漢字が見つかった。これらすべてについて漢検漢字辞典を調べてみると、単体で使われている「堅」を除いて、残りの4個の漢字「樫」、「鰹」、「慳」、「鏗」については、「堅」の部分を11画で数えている。一方、単体で使われている「堅」については、12画と数えている。ちなみに、漢字源及び新漢語林では、上記5個の漢字すべてにおいて一貫して、「堅」の部分を12画と数えている。

「堅」は、「臣」と「又」と「土」とから構成されており、「又」と「土」とについては画数の数え方に違いが生じようがなさそうなので、結局、「臣」の画数が異なっているものと考えられる。つまり、漢検漢字辞典では、上記漢字において、「臣」部を6画と数えており、漢字源及び新漢語林では、「臣」部を7画と数えていることになる。

そこで、「臣」を含む漢字について、漢検漢字辞典を確認してみると、例えば、「臥」については、総画数が8画で、部首内画数が2画となっており、確かに、「臣」部を6画と数えているようだ。

また、「腎」については、総画数が12画で、下側の肉月を部首として部首内画数を8画としており、これまた、「臣」部を6画と数えているものと考えられる。ところで、手元の漢検漢字辞典(2012年2月20日発行の初版第13刷)は、平成22年の常用漢字表の改訂には対応していないのだが、『常用漢字表改訂対応資料』という小冊子が添付されており、そこで、新しく常用漢字表に追加された漢字等と、漢検漢字辞典の関連が説明されている。「腎」は、新しく常用漢字表に追加された漢字なので、当該資料の該当箇所を見てみると、こちらでは「腎」は13画となっている。つまり、漢検漢字辞典では、「臣」部の画数は、常用漢字になると、7画になるとしているようだ。

あれこれ調べてみると、「臣」は以前は6画で数えていたらしい。例えば、新漢語林の「臣」の部首解説では、『臣は、もと六画に数えたが、いまは七画に数える。』と説明されているし、漢字源でも、『従来は六画であったが、小学校で学習する筆順の画数にならい左と下の部分を別画で書いて七画とする。』と説明されている。

つまり、漢検漢字辞典は、もともとの画数にこだわって、「臣」は原則6画と数え、常用漢字については、やむを得ず、7画と数えているということであろうか。

確かに、漢検漢字辞典の表見返し部にある部首の表を見ると、部首としての「臣」は、6画としており、そこでの字形は、左の縦線と下側の横線とを1画で(L字状に)書いたような字形を表示すると共に、その下にやや小さめに、左の縦線と下側の横線とが2画で書いたような通常の字形を表示している(7画のところにも、6画へ誘導するためのものが小さめの字で載っている)。また、総画索引の最初の注意書きの⑥に『次の部首は、新字体と旧字体で、字形は似ているが画数が異なる。』として、その一つとして、「臣」が挙げられており、新字体として、通常の「臣」を示して7画とする一方で、表見返し部と同様に、左の縦線と下側の横線とを1画で書いたような字形を示して6画としている。しかしながら、例によって、こだわりもここまでで、本文部分における「臣」を含む漢字(上述した「臥」等)については、常用漢字以外についても、新字体とされる7画と数えられる字形を使っている。

更に、巻末の付録にある「筆順と画数」の欄では、画数を間違いやすい部首の一例として、「臣」を挙げており、その画数を7画としている。これは、常用漢字に限っての話ということなのかもしれんが。

いずれにしても、漢和辞典における画数というのは、普通の利用者にとっては、検索キーとして使用するものなのであり、普通の利用者にとっては、それが一番重要な機能とも言えるのであるから、変なこだわりより、一貫性を持たせることの方が重要なのではなかろうか。今の状態では、漢検漢字辞典の利用者は、常用漢字か否かによって、画数の数え方を変えなければならず、個人的には、そのようなことは極めてばかげたことのように思われる。

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