« 漢検漢字辞典の謎(「臣」の画数編) | トップページ | 漢検準1級配当漢字の謎 »

漢検四字熟語辞典の謎(準1級編)

漢検四字熟語辞典では、各見出し語の下に、漢検の検定級が表示されている。例えば、一番最初の見出し語である「哀哀父母」には、「3級」という表示がされている。これは、「哀哀父母」は、3級以上で出題される可能性があることを示しているとのことである。

各四字熟語の検定級をどのように決めているかは、漢検四字熟語辞典には明示的には記載されていないが、四字熟語を構成する4つの漢字それぞれから、各漢字の配当級が決まるので、基本的に、その中の最上位の配当級を、その四字熟語の検定級としているものと考えられる。「哀哀父母」のケースで言えば、「哀」が3級、「父」及び「母」が9級なので、「哀哀父母」は3級ということになる。

ちなみに、若干ではあるが、検定級が表示されていない四字熟語も収録されている。すなわち、出題される可能性がないものも何故か(?)収録されている(別にいいんだけど)。

ところで、準1級の学習をしている際、「準1級」と表示がされているものを一通りチェック(単に目を通しただけ)してみたのだが、その際、「準1級」と表示されていることに疑問を感じるものがいくつかあることに気がついた。

具体的には、以下の9つの四字熟語である。

なお、以下で[]内は、手元の漢検四字熟語辞典(第二版第一刷 2012年2月20日発行)におけるページ数を示している。

  1. 泣斬馬謖(きゅうざんばしょく)[p.150]
    「謖」は、1級配当漢字である。
     
  2. 勁草之節(けいそうのせつ)[p.175]
    「勁」は、1級配当漢字である。
     
  3. 膏肓之疾(こうこうのしつ)[p.190]
    「肓」は、1級配当漢字である。
     
  4. 窃[金+夫]之疑(せっぷのぎ)[p.294]
    2番目の漢字は、かねへん+「夫」であるが、この漢字はJIS第3水準の漢字であり、漢検漢字辞典にも掲載されておらず(多分)、漢検対象外の漢字と思われる。
     
  5. 善巧方便(ぜんぎょうほうべん)[p.295]
    「巧」を「ぎょう」と読んでいるが、これは「巧」の呉音「きょう」を濁って読んでいるものと思われる。しかしながら、漢検漢字辞典や漢検準1級完全征服巻末の「常用漢字の表内外音訓表」では、「巧」の音としては、漢音の「コウ」しか載っていない。
     
  6. 中権後勁(ちゅうけんこうけい)[p.332]
    「勁」は、1級配当漢字である。
     
  7. 剃頭辮髪(ていとうべんぱつ)[p.346]
    「辮」は、1級配当漢字である。なお、漢検四字熟語辞典の該当欄には、「注意」として、『「辮」を「弁」と書き換えるのは本来は誤り』とあり、また、漢検漢字辞典の熟語見出し「辮髪」の欄には、『「弁髪」とも書く』とある。「剃頭弁髪」と書いてあれば、準1級配当ということで問題ないのだが。
     
  8. 屠所之羊(としょのひつじ)[p.367]
    「屠」は、JIS第1水準の漢字であるが、1級配当漢字である。

上記8つのうち、半分の4つは、「之」を含む四字熟語である。「之」は準1級配当漢字なので、他の3つの漢字が1級配当漢字でない限り、準1級配当の四字熟語ということになる。そういうこともあって、「之」を含む四字熟語については、準1級と考えてしまいがちになるということだろうか。

いずれにしても、上記8つの四字熟語については、準1級と表示されているが、準1級で出題される可能性は低い、というかないものと思われる。

|

« 漢検漢字辞典の謎(「臣」の画数編) | トップページ | 漢検準1級配当漢字の謎 »

漢検」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1066572/48629530

この記事へのトラックバック一覧です: 漢検四字熟語辞典の謎(準1級編):

« 漢検漢字辞典の謎(「臣」の画数編) | トップページ | 漢検準1級配当漢字の謎 »