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漢検準1級配当漢字の謎

漢検協会の審査基準によれば、漢検準1級の程度は、『常用漢字を含めて、約3000字の漢字の音・訓を理解し、文章の中で適切に使える』程度とされ、『約3000字の漢字は、JIS第一水準を目安とする』とされている。ちなみに、漢検1級の程度は、『常用漢字を含めて、約6000字の漢字の音・訓を理解し、文章の中で適切に使える』程度とされ、『約6000字の漢字は、JIS第一・第二水準を目安とする』とされている。

準1級の学習を始めた当初は、準1級の配当漢字は、JIS第一水準そのものだと思っていたのだが、学習を進めるにつれて、そうではないということに気がついた。上記審査基準にあるように、JIS第一水準はあくまでも目安なのである。この目安ということの意味合いについて、自分が気がついた例を挙げながら、簡単に纏めてみると以下のようになる。

なお、以下では、JIS第三水準及び第四水準の漢字を一部に使用しており、それらは、環境によっては、うまく表示されないかもしれない。

  1. 準1級配当漢字は、JIS第一水準以外の漢字も含んでいる。
      
    「灌漑」(かんがい)の「灌」及び「漑」は共に準1級配当漢字であるが、共に第二水準の漢字である。ちなみに、「灌」の許容字体である「潅」の方は、第一水準の漢字である。

    「蜘蛛」(くも)の「蜘」及び「蛛」は共に準1級配当漢字であり、「蜘」の方は第一水準の漢字であるが、「蛛」の方は、第二水準の漢字である。

    第二水準の漢字でありながら、準1級配当漢字となっているものとして、ほかに気がついたものには、「荏苒」(じんぜん)の「苒」や、「麪市塩車」(めんしえんしゃ)の「麪」や、「推本溯源」(すいほんそげん)の「溯」がある。
     
    更に、第二水準ならまだしも、準1級配当漢字には、第三水準及び第四水準の漢字も含まれている。

    例えば、準1級の学習者にはお馴染み(?)の四字熟語『啐啄同時』(そったくどうじ)の一文字目の漢字は、くちへん+「卒」であるが、これは、第三水準の漢字である。

    また、「偓促」(あくせく)の一文字目の漢字は、にんべん+「屋」であるが、これは、第四水準の漢字である。更に、むしへん+(絹の旁(右側のパーツ))で構成される「蜎」についても第四水準の漢字である。

    《更に更に、「菟糸」(ねなしかずら、トシ)の「菟」は、第一水準の漢字であり、異体字である「莵」は、第二水準の漢字であるが、漢検準1級完全征服巻末の準1級用音訓表(漢検漢字辞典漢検四字熟語辞典も同じ)で標準字体として挙げられている漢字(「」のくさかんむりの下が、「ク」ではなく「刀」になっているもの)は、第三水準や第四水準ですらなく、JISコードが割り当てられていないものである。と、思いきや、「文字拡大サイト」によれば、どうも「菟」の包摂字形(包摂規準と呼ばれる基準により、字体や字形デザインが異なっていても同じ文字コード番号で表されたもの)というものらしい。そういうことであれば、準1級用音訓表等にある標準字体のものも、「菟」と同じJISコードが割り当てられていることになるので、第一水準の漢字ということになる。》
     
  2. JIS第一水準の漢字でも、準1級配当漢字でないものも存在する。

    「屠」は、第一水準の漢字であるが、なぜか準1級配当漢字にはなっておらず、1級配当漢字になっている。
     
    更に、「咋」は、第一水準の漢字であるが、漢検漢字辞典には掲載されておらず(多分)、なぜか漢検対象外の漢字とされているようである。 

なぜ、上記のような取り扱いがされているのかは定かではないが、いずれにしても、準1級配当漢字を正確に知るには、漢検のオフィシャル教材を参照するしかないということになる。ということは、結局は、漢検のオフィシャル教材を買わせることが、目的なのかもしれない(笑)。

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